謎の本格的な合宿試験

本試験は、何故か温泉地で行われました。毎年のことだそうです。まぁ、卒業試験に託けて温泉入ろうっていう上層部の欲にまみれた会場選定だったんだろうと、今にして思いますが。3日間ほど泊り込みで試験は進んでいきます。1日目の午前に先方担当者、午後に経理担当者~といった具合に。

2日目を終えて、ある程度環境にも慣れてきたころ、社長と専務(現職の営業部長)が現場入り。新人としてはきっちり挨拶せにゃならんだろと、就寝時間ちょっと前くらいに彼らが詰めてる会議室を訪ねてみると、既に浴衣で酒盛り中。旅行気分かと。

「おお!たかはC!頑張ってるか!」

赤ら顔の2人が口々に。あれだけ数いる同期の中で名前を覚えてもらっていたのはとても光栄に思えた、当時の素直なたかはC。

「お前ならまぁ、落選は無いだろ!とりあえず飲んでけ!」

社長がそういってるので、とりあえず落選はしないんだろうと安堵しつつ、卒業のかかった最終日前なので流石に酒は遠慮し、明日はよろしくと伝えて辞去。部屋に戻り、社長の言葉が逆にプレッシャーとなり、眠れなくなった当時の素直なたかはC。

最終日も無事寝坊せず、専務、社長訪問のロールプレイを終え、夕刻に結果発表。結果は見事、1位で終了。社長から結果を伝えられ、ガッチリ握手をして、その足で帰社。中には落選した同期も居て、その同期たちは後日、再試験ということでした。

帰社した瞬間、プレゼン練習に付き合ってくれた先輩らに「チャンピオ~ン」と迎え入れられ、即祝杯会場へ移動。その席で、緊張から解き放たれた僕はハイペースで飲みまくり、奢りだからと暴食した結果、完全に潰れ、トイレとお友達になるのでした。

思い返せば、楽しい思い出ですね。まぁそんなお世話になった先輩たちを、あっさりと裏切るような形でその2年半後に退職してしまうわけですが、退職を決意したのは他部署に異動になったことが発端で、当時お世話になった先輩たちには何も、非はありません。

きっと、色々なことを期待しての選抜異動だったんだろうとは思いますが、当時のたかはCはその期待には応えることが出来ず、心身ともに限界を迎えてしまったわけです。

そうして、現職へ仕事を変え、今の僕が在ります。ただ、当時教わったことを常識として業務に反映させていると、現職の同僚には驚かれます。相当にレベルの高い指導をしてくれたんだと、そのときになって初めて思い知り、今となっては感謝をしても仕切れないほどです。

このコラムの存在はきっと、彼らに知られることはないでしょうが、たかはCは皆さんからのアメとムチでここまで成長できました。



ありがとうございました+1 !



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たかはCの成り立ち
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研修中は、OJT(On-the-Job Training、オン・ザ・ジョブトレーニング・・・先輩とセットにされ、先輩にくっついて仕事を覚える)で実業務に若干触れながらも、卒業試験のためのプレゼン資料をセコセコつくり、先輩らを目の前にプレゼンを実際に行いながら、作っては見せて修正、作っては見せて修正を繰り返していく日々でした。ここで、僕はとても良い先輩にめぐり合い、厳しくも優しく「プレゼンとは」「営
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